1980年代後半にかけて、日本は空前絶後の好景気で、アメリカを上回る勢い、もしくはアメリカを超えていたと思います。
東京はカリフォルニアより地価総額が高いとまで言われ、日本の会社が世界の時価総額トップを独占し、マンハッタンやダウンタウンの高層ビルの大半が日本企業のモノでした。
しかし、日本のバブルははじけました。
日経平均株価は1989年12月末につけた3万8915円をピークに、いまなお長期低迷しております。
一体、なぜこれほどのバブルが生まれたのか??
そしてはじけたのか??
日本のバブルが起こった原因
70年代から伏線は張られていた
戦後、世界経済はアメリカのドルを基準に金本位制を敷いていましたが、
日本や西ドイツの予想を上回る経済発展による貿易超過、ベトナム戦争泥沼化により、金本位制を敷くアメリカの経済はどんどん悪化していきいきます。
金を基準に経済が回っていたので、どれだけ日本の円が強くなっても、ずっと
1ドル=360円のままでした。
これがアメリカ経済の悪化の原因です。
それにより、当時のニクソン大統領が、それまで固定だった為替を変動相場に移行します。
これが世にいう””ニクソンショック””!!
金の呪縛が無くなった、アメリカドルは刷られ刷られ・・
どんどんアメリカドルが市場に出回り、ドル安が進みます。
1ドル=360円だったのが、300円を切り、200円を切り、100円を切り・・
となって行きました。
このドル安の傾向は輸出中心だった日本には追い風で、さらにどんどん経済発展していきます。
1985年プラザ合意
日本バブルの直接的原因になったとされる有名なプラザ合意です。
マンハッタンのプラザホテルに、アメリカ、日本、西ドイツ、イギリス、フランスの財務大臣と、中央銀行総裁が集められました。
この結果、アメリカにだけでなく色々な国に市場介入していく事!!
なるべく自国通貨を買い、内需拡大に努めること!!
が制定されました。
こうして、日本は政策金利を低くしていき、企業、銀行間の金回りを良くしていきます。
80年代は日本の金融改革が進んだ
実は日本の経済の法整備が一気に進んだのは80年代になってからです。
それまで禁止されていた、日本企業の海外投資が解禁されます。
これによって、海外の金融商品で本業より儲ける企業が多数誕生していきます。
外貨参入が認められたのもこの頃・・
さらに、1987年には史上最高新規公開株として民営化されたNTTが上場!!
株式投資自体が一種のブームみたいになります。
企業以外の普通の人も、普通預金以上に儲かる金融商品を求めていた時代でした。
そして、企業、投資家が行きついたのが不動産投資。
団塊世代が30代を迎えていた
当時、団塊世代が30代を迎えており、人生で最もお金を使う時期を迎えていました。
不動産投資はブームになり、地価はどんどん上昇していきます。
どんどん、不動産で儲ける人が生まれ、自分も乗り遅れまいと、さらに多くの人が群がる・・
そしてバブルが発生したわけです!!
あらゆる幸運が重なった結果がバブルを生んだ
戦後高度経済成長で、日本の製造業が発展し、それにより輸出大国になった日本。
さらに、ニクソンショックでドル安が進み、ますます貿易で儲ける日本。
そして、プラザ合意で日本政府は政策金利を引き下げ、内需拡大。
金融制度の改革も進み、企業が海外の金融商品で大儲けし始める。
一般投資家もブームに乗っかる。
一番ブームになったのが不動産で、当時、戦後最大の人口規模を誇った団塊世代が30代を迎えていたこともあり、どんどん地価は上昇した・・
これらの幸運が重なった結果、80年代後半の日本のバブルが生まれたわけです。
バブルの時の日本の凄さ
あまりにも異常な地価になっていた日本。
日本全土の土地の価格は、アメリカ全土の4倍と言われ、東京の地価は日本の面積より広いカリフォルニア州よりも上回るとされていました。
当時、アメリカの有名な高層ビルの大半は日本企業の物でした。
俺がLAにホームステイしてた時、ダウンタウンの高層ビル群の中を車で通ていた時、ホストファザーから、
””昔はこの辺り一帯のビルは日本の会社の物だったんだよ~~””
という台詞は印象的で今でも覚えてます。
日本国内でも相当の景気のよさ・・
内定式が高級クルーザー貸し切りなんて今じゃ想像できないですよね??(笑)
バブルがはじけた90年代
1989年当時、日経平均は3万円台後半になり、95年までに8万円に行くと言われていました。
そして、日本が世界の頂点に君臨すると・・
異常なほど好景気になりすぎた日本。当時の日銀が政策金利の引き上げを決めました。
これが、バブル崩壊の直接的原因といわれています。
しかし、その後、日銀がどれだけ政策金利を押し下げても、景気は一向に回復せず。
最初の金利引き上げの時に、あらゆる会社、銀行が不良債権を抱え、その処理に追われ銀行も企業にお金を貸さず、企業も新たな投資をせず・・
結局、ずるずる30年が過ぎました。
バブルははじけるものですが、あの時代、もし数年早い段階で 金利を上げていたら・・
あそこまでの急激な株価の上昇は無かったにせよ、暴落はしたでしょうが傷口は浅く済んで、その後緩やかな成長は続いていたかもしれませんね~~
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